仮病に口止め料
付き合ってしばらくしてから、何度かお邪魔(父親と時間が重ならないように計画)したことがある家。
親が居ぬ間に――それも学校がある時間に上がり込むのはいかがなものか。
(保護者が応援したくなる存在の)洋平少年的には罪悪感が芽生えるも、
(はじめてを病人の時にいただく趣味はないし、また昼間の件で自信を無くしているヘタレに限って無駄な心配だ)、
やっぱり弱っている彼女をベッドに寝かせ休ませてあげて、
俺が熱とりシートや飲み物、風邪薬など一通り手配してやりたい。
下心はないから大丈夫と自分にそう言い聞かせ、お城の住人が鍵を開ける様子を見守っていた。