仮病に口止め料
運動場の隅にある疲れたプレハブ部室が作る即興日陰になる場所には、
C組やD組のクラスで目立つ存在たち(立体的な髪をしたやんちゃ坊や付けまつ毛の人工具合が素晴らしいハイカラ娘)十人程度が、
一昔前コンビニの駐車場にたむろする要領で陣取っている。
傍には指導を諦めた先生が雑談をしているのか、仲良さそうに笑っている声が聞こえた。
最初から着替えず制服でああしてサボるなら、空き教室で遊ぶなり繁華街へ脱走するなりすれば良いのに、
参加をする気がないのにちゃっかり皆が揃う運動場には居座る――それもまた学生らしい光景で良いと思う。
なんかこう、今目に映るすべてには、大人になってから青春という意味がある気がしてならない俺だ。