仮病に口止め料
学年合同練習、入退場やら脱帽のタイミングやらをひたすら繰り返す――せいぜい小学生までで、
高校生なら口頭の指示だけで大まかに理解できているのだが、先生たちはとことん行進がしたいらしい。
(恐らくローカルニュース番組の小さいコーナーで、毎年マドカ高校の体育祭の映像が取り上げられるせいだと思われる)
しかし、生徒ポジションだと、さすがに同じ地面を踏むことに飽きてきたし、
前の人が履いているスニーカーの秘密ソールが何センチか気になりはじめてしまう。
何より太陽がハイテンション過ぎて暑さを放出させまくるため、俺は非常に疲れていた。