仮病に口止め料
入場曲は先生世代セレクトだから少々古いところが、また微笑ましい。
膝の関節が壊れたちょうつがいみたいに疲れてきたし、
皮膚が溶けそうなくらい茹だる暑さでは頭蓋骨に汗が染みている感覚になる。
そうやって、小規模なことをややオーバーに脚色していくのが俺・近藤洋平の特徴だ。
とりあえず暑い、地球温暖化を体感する暑さはしんどい。
仮設避暑地に逃げているサボり軍団が羨ましくて、横目で睨みそうになる中、
とってもとっても良いことがあるから、俺は運動場の中心から離れやしない。
そう、通常体育の授業はA・B、C・D、E・Fと合同にされるから不可能だが、
F組の俺も学年練習ならばC組の彼女と会える嬉しい特典があるからだ。
「な、見てよ、俺ん彼女かーわい」