仮病に口止め料
一定の間隔で背の順に並べられた人間迷路を辿れば、地図があっても誰ひとりとして手に入れることができない愛しの宝が見つかった。
たとえ目を懲らさなくとも(恋人のえこ贔屓が働く故)彼女は真昼の一番星と化すため、
すぐに俺たち男の視野を操るのだ。
彼氏が指を使って誘導しなくとも、「はいはい、美少女ですよ」と、相方が簡単に発見したことを踏まえれば、
彼女はなんでも背景にして一人輝いちゃう子だと立証されたのだから、
田上結衣最強説を疑うことは許されない。
長い髪は背中の半分くらいまであって、
(二千十年前後の流行りとは違い二千年頃の梳いている毛量だから軽やかに舞うので大変可愛い)、
遠目でも手を通したくなる程に艶やかで美しいのが自慢だ。
ほら、恋人は乙女に(痛さが)可愛らしいじゃないか。