仮病に口止め料
これからご飯、グロスなんてどうせティッシュで拭うのだから無駄でしかないのに、
わざわざお弁当を開く前に行う雑談数分、彼氏のために可愛くいようとしてくれる心遣いがいじらしいったらない。
まったくなんて愛らしいのか。
腕の中に閉じ込めてギュッと捻り潰したくなってしまう。
好きに比例し独占したがる感情は幼いと分かっていながら、
できることなら誰の目にも触れさせず、自分だけの世界に幽閉してしまいたくなる。
例えば綺麗な服を着せて美味しいご飯を食べさせぐっすり寝させて、ドールハウスの中で遊んであげたい。
お人形は持ち主の手でしか歩けないため、
結局本来の自由を教われないから、ただ一人の意思をそのまま刷り込める……ちょっと悪い魔法だ。