仮病に口止め料
そして、そんな自分を気に入っているナルシストな洋平クンのこともお見通しなのは、
察しが良い色白のあの子と女より綺麗な顔をしたあいつの二人だけで、皆にはバレていない。
ちなみに、上手に鈍感なふりをする人が俺の周りには多いかもしれないが、
そんな精神分析はあまりオシャレではないため、自分自身もそういう煩わしい類いは知らないものとする。
ほら、俺の性格はこんな感じだ。
すなわち、わざわざ箇条書に説明しなくとも、言葉の裏が読める者には伝わっていることだろう。
かみ砕けば、映画の冒頭で観はじめた人に状況を説明するために、脇役が台詞を長々しく喋る並に、
近藤洋平は明るいとか面白いとか気が利くとか努力家とか、分かりやすいプロフィールをいちいち発信しない部分が正に内面の説明となる訳だ。