たとえばセカイが沈むとき


 ぐん、と加速する感覚がした。

 体内に響き、圧迫感を感じる。タイムマシン内には時計もなく、どのくらい時間が経ったのか全くわからない。

 計器はいくつかついているが、日付を入力したもの位しか説明を受けなかったのと、機器に詳しいとは言えない頭脳の為に、何を計測しているものなのか想像もつかなかった。

 機器についてはわからなくとも、圧迫感が収まった為に、チサトのあの日に到着した事がわかった。

 矢も盾もたまらず、僕は外に出る扉へ向かった。開かなかったらどうしようと頭をよぎる間もない。

 自動感知したのか、圧搾音がして扉が開いた。


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