たとえばセカイが沈むとき


 ここが本当に一年前なのかは、一瞬わからなかった。というのも僕がいたのは、あの日事故の起こった場所ではなく、タイムマシンの置かれていた部屋と同じ部屋だったからだ。

 しかし良く見るとすぐ隣に、乗ってきたものとほぼ同じタイムマシンが置かれている。違うのは、完成前と完成後というところ。つまりここは過去と見て良いだろう。

 危うくぶつかるという距離、その差数センチ。もしぶつかっていたら、完成が遅れたかもしれない。際どいところだった。

 部屋内を見回してみたが、あの男はいない。

 僕は部屋を飛び出して、チサトと過去の僕がいるあの場所へと急いで向かった。


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