恋文
「会いたい人が居るんだけど、会わない方が良いって、相手に言われたら、皐月ならどうする?」


初音の名前を、出さずに、言葉を選びながら、質問をした。


「俺なら、会いに行くかな」


「そっか。ありがとう、皐月」


俺は、帰り仕度を済ませると、席を立った。


「何?新しい、恋?」


興味津々な、皐月の顔。


「気になる人…?」


「それが、恋って言うんじゃないの?」


教室を出ようとする俺に向かって、皐月が言う。


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