恋文
サトリの仲間か…?


視界が霞む中、現れた人物を見つめる。
血の気が、引いて行くのを感じた。


「みつ…る…!」


一番見られたくない場面を、一番見られたくない人に、見られた。


「はつ…ね…?」


信じられないという様な表情で、立ち尽くす充。


「やっ…見ないでぇ…」


俺は、両手で顔を覆った。涙が、溢れてくる。


「何だ?てめぇ、見せもんじゃねぇぞ!」


サトリが、充に怒鳴る。


「どけてもらえますか?初音が、泣いてるから…」


ゆっくりと、充が俺達に近付いて来た。


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