HONEY*ときどき*BOY
3*ホントのキモチ?
豊崎部長との試合当日。
昨日のこともあって、なかなか落ち着かない。
今だって、無駄に猛スピードで弁当を食べたせいで、昼休みが20分も余ってる。
特にすることもないんだけどさ……。
「ちょっと、飲み物でも買ってくるよ」
「あぁ、わかった」
財布だけつかんで、教室を出る。
校舎の近くにも自販機はいくつかあるけど、何となくいつもの自販機に向かった。
変にみんなから声をかけられるのも面倒臭いから、あんまり人の来ないあの場所ならちょうど良い。
それに、今のもやもやした気持ちのまま、羽月ちゃんに会うのも嫌だ。
そう思うと、あの場所は好都合だ。
「はぁ……」
小さく溜息を吐きながら歩いてたら、何周年だか記念の建物に着いた。
自販機のある壁を目指して、そのまま進む。
あと少しで自販機……そんなところまで来た時、オレは足を止めた。
咄嗟に、建物の壁に背中を付ける。
「応援、してくれるんだろ?」
「うーん……どうかな?」
背中からは、豊崎部長の声が聞こえた。
それに、羽月ちゃんの声も……。
「何で?」