HONEY*ときどき*BOY
「うわ……」



さすがに、アレはマズい……


初心者並みのミスだろ……――――



ちらっと豊崎部長に目を向けると、部長もぽかん、としていた。



……ですよね。



こんな試合じゃ、部員にも、見てる人にも申し訳ない。


ついでに言うと、部長にも……。



「はぁあああ」



大きく1回溜息を吐いてから、オレは次のポイントに向けてサイドを移動した。



歩き出してから何となく顔を上げる。



「あっ……」



集まった人の隙間、不安そうに眉を寄せた……羽月ちゃんの顔が見えた。



不安そうな目に映るのは、部長じゃない。


部長とオレは、コートの対角線状に立ってるから……それくらいわかる。



でも、何で……?



さっきまでとはまた違うもやもやを抱えながら、オレは部長に向き合った。


何とかサーブを返して、ボールの行方を追う。



それでもやっぱり、何回かラリーを続けたところでオレがネットして終了。



「30-0!」



だぁああああ!
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