HONEY*ときどき*BOY
   

どうしよう……

この状況、ちょっと困るんだよね。



オレに彼女がいるから?

違う。


オレがこの子を好きじゃないから?

それもあるけど、違う。


オレに危ないシュミがあるから?

断じて違う!!



「ごめん……。オレ、今はテニスだけに集中したいからさ」



実は、これも違う。



「部活の邪魔はしませんからっ!私……」


「ごめん、本当に。……諦めて、くれないかな?」



泣きそうな顔の彼女の目を見て、はっきりと言った。


この状況に慣れることなんて、やっぱりない。



「そうですか……。誰からの告白も受けないって噂、本当だったんですね」


「えっ……?」


「あ、あのっ……また先輩のテニス、絶対に応援しにいきますから!
明後日の決勝戦、頑張って下さい!」



勢い良く頭を下げると、その子はぱたぱたと去って行った。


無理に上げられた頬が頭から抜けなくて、何となくその方向を見つめる。



“誰からの告白も受けない”

その理由は、1つだけ。



「またココで告白?
いい加減、ウチの部室から丸見えだって、気づいてくれないかなぁ」



それが、オレに与えられたルールだからだ……――――
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