HONEY*ときどき*BOY
2*お姫様の誘惑?
「秀一!」


「豊崎部長……おはようございます」



校門を通りすぎてしばらく歩いたところで、後ろから豊崎部長に声を掛けられた。


隣には、少し間隔を開けて羽月ちゃんが歩いてる。



一緒に登校してきたんだ――――



そういえば、この2人って付き合ってるって噂あったんだっけ?



「明日だな、いよいよ。お前が勝ちあがってくるんじゃないかって思ってたよ」


「そんな……。部長こそ、順調ですね」


「やっぱり、最後の試合だし。気合入るからな」



豊崎部長と話しながら、そのまま3人で校舎を目指す。



朝日みたいに爽やかに笑う部長は、本当に格好良いと思う。


顔も格好良いし、勉強ができないって話も聞いたことがないし、スポーツもできるし、……。


オレと違って、人当たりだって良い。



それこそ、あのルールを全部兼ね備える感じの人だ。



「あ、ごめん宮下。コイツは、テニス部の後輩の早坂秀一[はやさかしゅういち]……って知ってるか。割と有名だし」


「うん、一応ね。2人とも格好良くて人気なんだもん。この学校で2人を知らない人なんていないでしょ?」
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