HONEY*ときどき*BOY

「そう言われると照れるけどな……」



自然に笑い合って、お互いに目を見て話す2人は、本当に親しいんだと思った。


部長同士だから、何かと集まりで一緒になることも多いはずだし

クラスも同じらしいから、当り前なのかもしれないけど……。



「あ、3年は下駄箱あっちだから」


「あっ、はい!」


「じゃあ、また放課後に部活でな」



片手を上げる豊崎部長に、軽く頭を下げる。


羽月ちゃんは、オレを見もしない。


背を向けて反対方向へ歩き出した2人を見て、オレは小さく溜息を吐いた。









「あれ?またいるし……部活はサボり?」



がこんっ。

いつもみたいに、自販機が音を立てた。


それと同時に、いつもみたいに羽月ちゃんが顔を出す。



「サボりじゃないよ。明日試合があるからって、もう終わった」



自販機に手を伸ばして、いつものペットボトルを拾った。


いつもの段差には座らないで、そのまま羽月ちゃんを見る。
< 8 / 30 >

この作品をシェア

pagetop