HONEY*ときどき*BOY
「そう言われると照れるけどな……」
自然に笑い合って、お互いに目を見て話す2人は、本当に親しいんだと思った。
部長同士だから、何かと集まりで一緒になることも多いはずだし
クラスも同じらしいから、当り前なのかもしれないけど……。
「あ、3年は下駄箱あっちだから」
「あっ、はい!」
「じゃあ、また放課後に部活でな」
片手を上げる豊崎部長に、軽く頭を下げる。
羽月ちゃんは、オレを見もしない。
背を向けて反対方向へ歩き出した2人を見て、オレは小さく溜息を吐いた。
「あれ?またいるし……部活はサボり?」
がこんっ。
いつもみたいに、自販機が音を立てた。
それと同時に、いつもみたいに羽月ちゃんが顔を出す。
「サボりじゃないよ。明日試合があるからって、もう終わった」
自販機に手を伸ばして、いつものペットボトルを拾った。
いつもの段差には座らないで、そのまま羽月ちゃんを見る。