昨日より、ずっと…
「どーするよ、春ちゃん。」

「どう…って、どうもしないよ。」

…別に、あたしには関係ないから。

すると、遠くからあたしの名前を呼ぶ声。

「あ、千春ー!!」

「春、旦那が呼んでる。」

隣でいっちーが言う。

「…旦那じゃないよ。」

…これだけは、言っておきたかった。

颯太のほうを見た。

「…何?」

あんなに、大声出さなくたっていいのに。

「今日、一緒に帰ろーぜ!!」

…やめてよ。

…嬉しいじゃん。
…期待なんかしちゃうじゃん。

「いいけどっ!!」

「サンキュー!」

…笑顔でピースなんかしないでよ。

颯太から目をそらした。

「あら?春、機嫌悪い?」

「悪くないっ!!」

隣でいっちー、苦笑い。

「春も、素直になんなきゃ。」




「千春ー!!」

更衣室から出た早々、颯太から呼ばれる。

「何。」

「あれれ、千春ちゃん、ご機嫌ななめ?」

…“千春ちゃん”って言わないで。

同い年なはずなのに、あたしは子供みたい。

…嫌だ。

「颯太のバカ。」

何もわかってない颯太のバカ。

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