白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
第1章
桜の下で
-桜の下で-
透き通るようなブルーの空。
いつか見たような空。
色エンピツで線を引いたような白い雲。
桜の花びらが舞い散る。
淡いピンク色。
「もう桜も終わりか・・・・・・」
川べりの石の階段に腰掛けた先生が、飛び散る桜を見上げる。
小川に流れる桜の花びらもまた美しい。
流れる花びらを見つめる先生は、花びらに卒業した生徒の面影を重ねているように見えた。
微笑んでいるのに、どこか寂しげなその表情が、何とも言えず愛おしい。
「卒業、寂しいね」
私がそう言うと、先生は黙ったまま首を少し上下に動かした。
先生は、教師で・・・・・・学校にはたくさんのかわいい生徒達がいる。
先生の生徒だったからわかる。
先生は、毎年どんな気持ちで生徒を見送っているのか。
卒業は“おめでとう”って言わなきゃいけないけど、先生は寂しい気持ちもあるんだよね。
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