白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
俺も直も、やっぱり嫉妬をしちゃうし、信じていても気になってしまう。
いつの日か、水谷先生のようになれるのだろうか。
直が、男と飲み会に行っても
“俺達はそんなことで嫉妬しないよ”
なんて余裕なことを言ったり。
“俺達は信じ合ってるから、何も心配はないんだ”
なんて、言える日が来る?
俺と直は、まだまだ子供なんだろうか。
「早く彼女作りなさいよ」
水谷先生はそう言って、畑中の肩を叩いた。
畑中は、今でも水谷先生のことが好きだった。
報われることのない想いだけど、こうして仲良くなれたことで、アイツの中で何かが変わるだろう。
「彼女できたらメールしてね」
水谷先生がそう言うと、畑中は苦笑いを浮かべた。
「いじわるっすね~」
さっきの水谷先生の言葉が何度も頭の中によみがえってきた。
水谷先生の旦那さんは、水谷先生が男子生徒にアドレスを教えても平気なのか。
平気じゃないけど、信じているから何も言わないのか。
夫婦って本当に、いろいろあって。
いろんな種類の夫婦がいて。
正解があるわけじゃないし、どの夫婦もそれぞれに良さがあって・・・・・・
でも、俺達は誰にも負けない自信があった。
どの夫婦よりも仲良しで、信頼し合っていて、隠しごとがなく・・・・・・
まだまだだった。
甘かった。
俺、全然ダメだな。