白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「中田の所に行くのか?」
「ううん。行かない。先生のそばにいる。ごめんなさい」
「良かった。良かった・・・・・・」
行かない。
今、離れちゃうと、心まで離れちゃいそうだもん。
先生のそばにいる。
「あのね、パソコンのメールに写真が添付されてて・・・・・・それを見てしまったの」
「そうだろうと思ったけど。畑中の奴、メール送るの早すぎだろ」
そう言って、先生は自分の首の後ろを触りながら笑った。
時々やる仕草。
高校時代から好きだった。
「タイミングが悪かったな」
「うん。滅多にパソコン開かないのに。私」
「そうだな。嘘ついた俺への罰だな。でも、誤解するような写真なかっただろ?」
うん。
なかった。
全然なかったよ。
でも、とてもお似合いに見えたんだ。
ふたりが並んでいる姿がとても似合っていて、私と先生よりもお似合いのように見えた。
「うん。写真は別にどれも普通だった」
「そうだろ。本当に何もやましいことはないから」
もう言わないで。
信じるって決めたから・・・・・・もう言い訳みたいなことは聞きたくない。
「うん。わかってる。私、やっぱり子供のままだった。成長できてなかったね」
「そんなことない。直は、すごく大人になったよ」