白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
直と俺【先生目線】
-直と俺- 【先生目線】
直の為に“中田と会ったら?”と言ったわけではなかった。
どうしちゃったのかな、俺。
自分よりも直が大事だって、いつもそう思っていた。
でも、最近の俺は違ってたんだ。
自分を大事にしていたのかもしれない。
今日だって、俺が直と向き合うことから逃げた。
直の顔を見ているのが辛かったんだ。
心の中では泣いているのに、俺の前では笑っている直。
そんな直がまぶしすぎて、今の俺には見ていられなかったんだ。
自分がちっぽけな人間のように思えた。
俺は、大きな過ちを犯してしまったんだ。
あの嘘で、何か良いことがあった?
自分自身に問いかける。
「よぉ、たっくん」
「先生、久しぶり!」
ドライブに出かけることにした。
行き先は特に決めていない。