白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
もう豪太への気持ちは、落ち着いた。
ドキドキなんてしない。
時々、目で追ってしまうことはあるけれど。
先生とぎくしゃくしている時に思ったんだ。
先生とうまく行っていないと、私は何をしていても楽しくないってこと。
先生との生活というベースがきちんとあってこそ、私は毎日楽しく過ごせるんだ。
いつの間にか、私と先生は“家族”になれていたんだね。
「どしたぁ?俺の顔に何かついてる?」
ボートを漕ぐ先生は、首をかしげる。
好きだな。
やっぱり。
先生が好き。
「ううん。幸せだなって思ってたの」
「俺も幸せ。最近、のんびりデートもできなかったからな。ごめんな」
「新学期で忙しかったから仕方がないよ」