白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
先生は少し変わった。
何がどう変わったのかはっきりとわからないけど、どこかが変わった。
毎日、“安心感”をくれる。
私は、もう水谷先生に対して、何の嫉妬もしない。
先生と水谷先生の関係をちゃんと理解した。
それは、先生が細かく話してくれるから。
先生は言ったんだ。
“今まで直に話したくても話せなかったこともある”と。
それは相手が、喜多先生じゃなく、水谷先生だから。
水谷先生と話したことを、私には話しづらかったと。
でも、直には聞いて欲しい内容だったんだとも、言ってくれた。
あのバーベキューの日から、先生は何でも話してくれるようになった。
何でも話しているつもりだったのにな、って先生は笑った。
私もそうだ。
何でも話しているつもりだったけど、豪太のことはやっぱり話せなかった。
同じだね。
そう思うと、先生の嘘も、たいしたことじゃない気がしたんだ。