白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
気がつくと、空がほんのりオレンジ色になっていた。
好きな時間。
「最近はこうしてゆっくり夕焼け空を眺める時間もなかったな」
先生は、伸びをしながらそう言って、私の肩にもたれかかる。
「学校でも、夕日見てないの?」
「そうだな・・・・・・見てないな」
先生、忙しいんだね。
いつも、廊下の窓から夕日を眺めていたのになぁ・・・・・・
「もう寂しくないから見てないだけかもしれないな、俺」
先生は夕日を眺めながら、七緒ちゃんのことを想っていたんだよね。
「会えない人を想って、夕日を見ていたから」
「七緒ちゃんだよね」
「ん?七緒の次は直だったよ。直を好きになってからは、七緒への気持ちが吹っ切れたんだ」