白いジャージ７ ～先生とプールサイド～

俺は結婚していた。






もし、結婚していなかったとしたら、あのバーベキューでの嘘を許してくれただろうか。




桃子ちゃんみたいに、愛想尽かしてしまったかもしれないな。






「女性は、冷めると早いからな」




そう呟くように言った翼先生は、無理して少し笑った後にため息をついた。





そうだな。


女性は冷めるのが早い･･････か。


直に出会うまでは俺もそう思っていたっけな。





だから、直にあの話をした時･･････



娘がいるという話をした後、不安で不安で仕方がなかったんだ。






でも、直は違った。





直は、今までの彼女とは全く違った。






ケンカをしたとか、すれ違いがあったとか、そういうことで、俺への気持ちが変わったりすることがなかった。




だから、俺はいつも心穏やかにいられたんだ。




直だから。


安心していられたんだよな。




結婚した今だってそうだ。




でも、そのことに安心していちゃいけない。






いつまでも好きでいてもらえるように、自分を磨いていかないと。