白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「直に相談してないんですかね」
「していないみたいだね。新垣先生の耳に入ってないってことは」
「ひとりで悩んで答えを出したとしたら・・・・・・きっと相当思い詰めてるでしょう」
「それが俺も心配で。でも、電話にも出てくれなくてちゃんと話せてないんですよ」
どうすれば元に戻れるか。
そんな難しい問題に答えなんて出なくて。
翼先生は、どうにかしてもう一度話をしてみると言って、明るく俺に手を振った。
わかるんだ。
ちょっとだけ。
俺も相手が生徒だった。
そして、かなり年下だった。
いくら、向こうから好きになってくれたとしても、翼先生には不安があった。
俺も同じだった。
教師としての俺しか知らない直が、実際の俺と付き合って、がっかりしないかなって思ったよ。
俺に対して、ものすごい良いイメージを持っていてくれたとしたら、絶対に幻滅させちゃうなって。
だって、俺はスーパーマンでもないし、本当にどこにでもいる教師だったからさ。