白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
翼先生も、言ってたな。
“俺のどこが良いんだろう”って。
相手が生徒じゃなかったら、翼先生も強引に引き止めることができたかもしれない。
臆病になってしまっているのは、相手が桃子ちゃんだからだ。
冷めてしまったんじゃないかと思うと、別れたくないと正直な気持ちを伝えられないんだろう。
「ただいま」
「どうだった?ホームルーム!」
笑顔で迎えてくれた直を見て、俺は今日の性教育のホームルームのことを思い出した。
翼先生の電話から、ずっとそのことばかり考えていた。
「良かったよ。みんなわかってくれた。田嶋も、彼氏にちゃんと言うって言ってたよ」
「本当に?!良かったぁ!!先生の想い、通じたんだね」
その場でぴょこぴょこ飛び跳ねる直を見ていると、無性に愛しくなって抱きしめてしまった。
「ちょっといい?このままで」
俺は直をぎゅっと抱きしめた。
ホームルームの緊張感と、翼先生の心配で、充電切れしてたんだ。
「どうしたの?先生、疲れた?」
「ああ。直の顔見たら、こうしたくなった」