白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「私の方こそ、気付いてあげられなくて、ごめん」
「直に話したかった。一番に・・・・・・」
しばらく会っていない間に、とても魅力が増したように見える。
涙目の桃子は、翼先生と恋をしていろんな経験をしたんだろう。
「私、いつも誰かに頼ってたからさ。今回のことは自分ひとりで頑張ろうって思った」
「そっか。でも・・・・・・ひとりで考えてるとどんどん落ち込んじゃうよね」
「うん。自分がおかしいのかなって思った。たいしたことじゃないのかなとも思ったんだ。新垣先生は、翼先生よりももっとモテるし、いろんなことがあったじゃない?私の悩んでいることはちっぽけな気もしたんだ」
桃子の胸には翼先生からもらったネックレスが揺れていた。
まだやり直せるはず。
「そんなことないよ。好きな人がモテるって不安だもんね。ひとりで悩んでたなんて、辛かったよね?」
「うん。誰にも言わないって決めたんだ。でも、そのせいで・・・・・・どんどん自分が追い詰められていくみたいでさ。気付いたら、最低なことしちゃってたし。携帯見るなんてさ」
私はゆかりを思い出した。
ゆかりもたっくんを信じられなくなって、携帯を見た。
その後、後悔して後悔して・・・・・・でも、時間は戻らない。