白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
豪太の笑顔のかわいさにちょっとドキっとしながら歩いていると、大野さんが自動販売機でコーヒーを買っていた。
「おはようございます」
「あ、おはよう」
私を好きだと言った大野さんだけど、今は大野さんの心の中に私はどれくらいの大きさで存在するんだろう。
勝手な考えだけど、できれば・・・・・・私への気持ちは完全に消えていて欲しい。
「あのさ、沙織ちゃんってまだ俺のこと恨んでるかな」
背後から聞こえたその声に、驚いて答える。
「沙織は、恨んでなんかいないです!!」
恨んでなんかいない。
ただ傷ついただけ。
そして、あの出来事があってから、ますます大野さんへの好きが深まってしまっただけ。
「え・・・・・・そう?本当に?俺、恨まれてるのかなって」
「沙織は、そんな子じゃないです。もっとしっかり見てあげてください」
言った後に、ちょっと後悔した。
これじゃあ、まるで・・・・・・今でも沙織が大野さんを好きだって言ってるようなものだもん。