白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「どうだった?」
「妊娠はしているみたいなんだけど、胎のうっていう袋はまだ見えないんだって。だからまた来週来てって」
「そっか。そっか~!妊娠なんだな」
「うん!!」
帰りに車の中では、これからの食事とか運動とか気をつけなきゃいけないことをふたりで話した。
なんだろう。
不思議な感覚。
まだ姿も見えていないのに、私は“母”になっている自分に気付く。
自然とお腹に手を当てていて・・・・・・
ひとりじゃないって、強く感じた。
「不思議~、もうお腹の中に赤ちゃんがいる気がする」
「いるんだよ。もうちゃんと」
特別頑張っていたわけじゃない。
でも、ふたりとも赤ちゃんが欲しかった。
先生も欲しかったんだなって、すごく伝わってくる。
いつも優しい先生だけど、いつもの倍くらい優しいんだぁ。
ふたりの会話も、自然に赤ちゃんのことが中心になっていく。
こうして、親になっていくんだね。