白いジャージ7 ~先生とプールサイド~





「直がお母さんかぁ・・・・・・なんだか感動しちゃうな」



お母さんは、明るい話をしてくれた。




だから、私もすっかり涙が乾いて、赤ちゃんは大丈夫なんだと思えるようになった。






「今日はここで晩御飯食べて行ったら?良かったら先生も呼んで、みんなで食べよう」




お母さんは私の大好きなカレーを作ってくれた。



妊娠のことは、お父さんやお姉ちゃんには言わなかった。




お母さんも何も知らないフリをしてくれたので、本当に楽しい時間を過ごすことができた。






「お姉ちゃん結婚しないの?」





お姉ちゃんは、ひとり暮らしのおじいちゃんおばあちゃんの家へ手伝いに行くヘルパーの仕事をしていた。



福祉の学校に行った私よりもずっと頑張ってると思う。






「しないよ」



「どうして?フランスまで行ったのに」




高森さんとお姉ちゃんは順調に愛を育んでいた。





「結婚しちゃうといろいろ面倒だし、今のままでいいの」




お姉ちゃんらしい答えだけど、高森さんは結婚したいんじゃないのかな。





「高森さんもそう思ってるの?」



「さぁ、知らない」





相変わらずのお姉ちゃんだけど、とても幸せそうだった。





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