白いジャージ7 ~先生とプールサイド~




仕事を終えた先生が帰って来た。




お父さんは久しぶりの先生との食事に、嬉しそうな顔をしていた。






「今度は泊まりで来いよ。酒でも飲もう」




「そうですね。ご無沙汰しちゃって、すいません」





先生は、お母さんのカレーをおかわりした。




私は、一杯しか食べられなかった。






そのことが嬉しかった。





きっと、つわりの始まりなんだ。




これから、気持ち悪くなったり、食べられなくなったりするんだよね。





お腹に手を当てて、目を閉じると・・・・・・


赤ちゃんがそこにはちゃんといる気がしたんだ。





いるよ。


うん。


私、ママだもん。



どんなに小さくても、私はもうママなんだ。







「誠人、結婚すんの?」




お姉ちゃんは酔っぱらっているようだった。




「どうでしょう。まだ聞いてないけど」




「誠人にはもったいないくらいの子だもんね。早く結婚しちゃえばいいのに」




「お姉ちゃんが言うのはどうかと思うよ。お姉ちゃんこそ、早く結婚しちゃいなよ」




私がそう言うと、みんながそうだそうだと言った。





来年は、お姉ちゃんと高森さんも結婚したりして・・・・・・ね。






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