白いジャージ7 ~先生とプールサイド~




楽しい夕食を終え、私と先生は帰ることにした。




どこで話そう。



先生、怒るかな。



悲しむかな。




黙って病院に行ったこと。








「先生、話があるの。どこかで話せる?」





エンジンをかけた先生は、キョトンとした表情で私を見る。




そして、


「ん?夜景でも行くか」




と私の頭に手を乗せてくれた。






先生が向かったのは、高校時代に初めて行ったあの夜景。





「懐かしい!!」



「だろぉ?ちょっと切なくなるけどな」




先生は、何も聞かずにただ手を握ってくれた。




きっと、何となく感じてくれているんだと思う。





夫婦だもんね。







最近ずっと私が不安だったこともちゃんとわかってくれてる。





他愛もない話をしながら、時間だけが過ぎた。




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