白いジャージ７ ～先生とプールサイド～

私は今日病院の先生に言われたことを全部先生に話した。




先生は静かに頷きながら聞いてくれた。



先生も私と同じで、もうすっかりパパになっていた。






「直は強くなったな。すっかり母親の顔をしてるよ」




「そう？」




「あぁ。母ってすごいなって思う。これからもずっとそんな直を見ていきたい。どんどん変わってく直を隣で見ていたいよ」






夜景を見ていると、いつも思う。





あの灯りひとつひとつの家で、いろんなことがあるんだろうなって。




泣いている人、笑っている人、ケンカしている人。






今この瞬間に生まれる命もあれば、消えていく命もある。



そんなことまで考えてしまう。








「どうなったとしても、この子は俺達の子供。確かにここにいるんだよ」







先生はそう言って、私のお腹に手を当てて、後ろから抱きしめてくれた。





ここにいる。




わかるもん。



私、ママだから。