白いジャージ7 ~先生とプールサイド~





次の日は、桃子とランチの約束をした。




ちょうど桃子も休みだったので、雑誌で調べたカフェへ出かけた。





翼先生と復活した桃子は、またきれいになった。





「どう?翼先生と」



「うん。なんだかねぇ・・・・・・ふふふ」




幸せそうにニヤついた桃子の腕を引っ張って笑う。



「ちょっと~、ニヤけすぎだよ!!でも、本当に良かったね!」




「直と先生のおかげだよぉ!!本当にありがとう。あのまま会えなかったら素直になれなかったもん」





キラキラの笑顔を見ていると、先生と復活した後に自分を思い出しちゃった。





「離れていた間、翼先生相当寂しかったんじゃない?」




「うん。そうみたい。そこまで愛されてたんだなって気付いた。元彼女にもはっきり言ってくれたみたいだし、告白してきた生徒とか事務の女の人にも、断ってくれたんだ」




もう、桃子と翼先生は大丈夫。



そう思える桃子の表情だった。





「最初からちゃんと話を聞けば良かった。勝手に想像して・・・・・・怖くて逃げて、結局お互いに傷ついただけだった」





私も同じだったな。





話し合えば良かったって後から後悔したことは何度もある。






でも、悩んで苦しんで、傷ついた経験は無駄じゃない。






「そんなことないよ。辛かったけど、絶対に2人を強くしてくれると思う」





無駄じゃない。




どの涙も必要だったと今なら言える。







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