白いジャージ7 ~先生とプールサイド~



フェンス越しに目が合う。




生徒はみんな必死で泳いでるみたいで、私には気付いていなかった。







「あ、直!もうすぐ終わるから生活指導室で待ってて。喜多先生がいるから」




「え?入っていいの?」




「いいに決まってるだろ?ここの卒業生だし。それに、俺の奥さんだし」





ニヤリと笑う先生。


まぶしそうに目を細める。





私は、先生の裸姿をしっかりと目に焼き付けてから、手を振った。




毎日会えるのに、変だよね。







「先生、さっき誰と話してたの?」





男子生徒の声が聞こえた。




「教えない。内緒~!」



「誰だよ!もしかして奥さん?」





何人もの生徒が騒ぎ出した。




振り向いて!って声が聞こえたけど、聞こえないフリをして早く歩く。






「先生!奥さんだったの?見たい見たい!!」





先生は大きな声で言う。



「俺の奥さん。お前らには絶対見せない~!ふふ」






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