白いジャージ7 ~先生とプールサイド~





「いつも新垣先生がうるさくてね。直、直って・・・・・・ははは」




「そうなんですか。へへ」




「そうだよ。今日も朝からウキウキしちゃってて、見ていて面白かったよ」






ウキウキしていたのは私だけじゃなかったんだ。


先生も楽しみにしていてくれたなんて嬉しいな。




喜多先生は、ワイシャツの袖をまくりながら、



「新垣先生は大丈夫だから安心しなよ」



と言ってくれた。



そう言った時の照れ臭そうな表情が、少しだけ先生に似ていてドキっとした。





「ありがとうございます。喜多先生がそう言ってくださると安心できます」




「あれだけかっこいいと心配になるよな。よくわかるよ。でも、新垣先生自身がしっかりしていれば何の心配もない。だから、信じてあげて」





喜多先生・・・・・・優しい。




先生が信頼しているだけあるなぁ。






「はい!!まだまだだめなんですけど、頑張ります」




「俺もいい刺激になってるんだよ。妻を大事にしようってね。そう思えるよ」




喜多先生は、私に冷たい麦茶を出してくれた。



氷がカランと音を立てる。




「ゆっくりしてって。久しぶりだろうから」




喜多先生に憧れる生徒も多いって聞いていたけど、よくわかる。




魅力的な先生。




私が在学中、喜多先生はうちの学校にはいなかった。




どんな先生なんだろう。



教わりたかったな。









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