白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「せんせぇ~、走ってもいいの?廊下~」
「だめだけど~!!今だけはOK!!」
手を繋ぐ。
あの日、こんな風に走ったね。
卒業式の日。
中庭の噴水を横目に見ながら・・・・・・走ったね。
音楽室の前で、立ち止まる。
「なぁ、直。あの時みたいに俺の背中、叩いてみて」
「あの時?」
「ああ、初めてここで俺に話しかけてくれた時」
「・・・・・・うん」
覚えててくれた。
そのことが嬉しい。