白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「先生、どうしたの?大丈夫?」
あの時は、寂しそうな背中と、悲しい横顔が心配だった。
「あ、矢沢ぁ・・・・・・」
振り向いた先生は、ぎゅっと私を抱きしめた。
「え~、あの時、こんなことしてくれなかったよぉ」
「そうだっけ?」
そのまま、音楽室へ。
「じゃ・・・・・・久しぶりの」
音楽室の扉を閉めて。
「鍵閉めちゃったぁ!!」
「うわぁ!懐かしい!!」
久しぶりの匂い。
あの頃と同じ。
うん。
変わってない。
ベートーベンは相変わらず私達をジロっと見つめている。