白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「いろいろあったけど、俺は今の直が大好きなんだ。直を好きになった頃よりももっともっと好きだ」
音楽室の扉の前で、おでこをくっつけながら言ってくれた。
「いつか、生徒に話してね。この経験を」
私は目の前にある先生の瞳の中を見つめた。
綺麗な瞳。
「ああ、そうだな。簡単に子供ができるわけじゃない。だけど、たった一度でできることもある。簡単にできないなら避妊しなくていいって誤解されないように、しっかりと伝えなきゃいけないな」
きっと伝わるよ。
先生の言葉は魔法の言葉だもん。
心にスーっと入ってくる。