白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「それって・・・・・・どういう意味ですか」
腕を離す。
自分の頭をくしゃってして。
「もう一回、俺のこと見てくれないかな」
頭の中が真っ白だ。
何が起こっているんだろう。
「送らせてくれる?」
もう一度優しく聞く大野先輩に、小さく頷いた。
電車の中では、さっきの一言が頭から離れなくて、顔が見れなかった。
“俺のこと見てくれないかな”
でも、大野先輩は何事もなかったように、全然関係のない話ばかりした。
会社の上司の愚痴とか、仕事先での困った話とか。
それから、学生時代の話も少ししてくれた。
サッカーをしていて、マネージャーの女の子と付き合ったこと。
でも、フラれて・・・・・・先輩がその女の子と付き合った。
“結構俺、よくフラれるんだ”
そう言って、恥ずかしそうに笑った顔が、何とも言えず・・・・・・好きだ。