白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
地元の駅前のケーキ屋さんは、奇跡的に1軒だけ開いていた。
お土産にと・・・・・・日持ちする焼き菓子を買ってくれた。
「もうここでいいです」
「だめだよ。家の前まで送る」
「でも、遅くなるし・・・・・・」
「俺は男だから別にいい。寝るの普段から遅いし」
嬉しい。
こんなに大事にされたことがあったかな。
でも、心配だった。
家の前まで送ってくれるのは嬉しいけど、もしも妹が暴れていたら・・・・・・と。
大声が外まで聞こえていたら、嫌だなと。
でも、駅からゆっくり歩いているうちに、自然とそんな気持ちが消えていた。
「あの・・・・・・実は・・・・・・」
私は、大野先輩に話すことができた。
気負わずに、思ったまま話せたことが嬉しくて。
心がどんどん軽くなる。