白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
この席、緊張する。
真由美さんは遠い席だし、沙織は今は大野さんと話してるから、私は豪太と話すしかない。
大野さんは、沙織の隣の席をゲット。
何を話しているのかわからないけど、結構仲良さそうに話していて、ホッとした。
「どしたの?」
豪太に声をかけられた。
だめだめ。
今、一瞬ドキっとしちゃった。
先生の“どした?”にちょっと似ていて。
「ううん。ちょっと酔っちゃったかな」
「もう酔ったの?大丈夫?」
微妙に話し方がさっきまでと変わっていた。
敬語じゃなくなってる!?
豪太にとっては、私は“新垣直”なんだな。
矢沢直を知らない人。