白いジャージ7 ~先生とプールサイド~



どうしてだろう。



先生のことを豪太に詳しく話す気にならなかった。



その理由は自分でもわかっていたんだけど。





「どんな人なの?旦那さん」



「普通の人だよ。年上なんだ~」




理由は簡単。



豪太のことを、男の人として意識しているからだった。




それは、“気になる”とか“好き”という感情ではない。



ただ、豪太を男の人として見ているというだけ。







沙織が大野さんと話し終えたので、沙織と豪太と3人で話し始めた。



沙織と話している豪太を見ながら思う。





先生もこういう気持ちになることがあるのかな……と。




こんなにも先生大好きな私なのに、他の男性を素敵だなとかかっこいいなって思う瞬間がある。



だから、先生にもある。



綺麗だなとか、好きなタイプだなって思う女性は、必ず出てくると思うんだ。




その時に、私自身が魅力的な女性でいてなきゃ、先生の気持ちを掴んでおけない。




頑張らないと。





先生は誠実で優しいから絶対に浮気なんかしないってわかってるけど、心が揺れ動くことは、あるかもしれない。




その時に、“やっぱり直だな”とか“俺には直しかいないな”って思ってもらえるように。






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