白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
先生からメールが来たから、トイレへ向かう。
「もしもし、先生?」
『どう?帰り迎えに行かなくて大丈夫かぁ?』
優しい声。
疲れているのに、いつも優しい。
「大丈夫だよ~!!」
『じゃあ、駅まで歩いて迎えに行くから、またメールして』
先生の声を聞くと、一瞬で豪太のこと頭から消える。
当たり前だけど・・・・・・私には先生しかいない。
先生しか好きになれないもん。
「じゃ、直またね!」
「気をつけて帰れよ~」
大野さんが沙織を誘った。
そのことが嬉しくて嬉しくて、早く先生に言いたかった。
「沙織、楽しんできてね~」
照れくさそうな沙織の横で、ペコっと頭を下げた大野さん。
最初からそのつもりだったのかな?
良かった。
沙織の恋、きっとうまく行くよ。
大野さんの顔を見ていたらわかる。
気に入ってるよ、沙織のこと。