白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
第2章
嘘【先生目線】
-嘘- 【先生目線】
とても月が綺麗な夜だった。
夜風が俺と直の頬をかすめていく。
どうしてだろう。
どうして言えなかったんだろう。
どうして・・・・・・
嘘をついてしまったんだろう。
「バーベキュー、楽しそう!!畑中君も、どうせなら水谷先生誘えば良かったのに。まだ好きなんじゃないのかな」
無邪気にそう言った直に、俺は何も言えなかった。
黙って、頷くしかできなかった。
どうしてだろう。
別に・・・・・・隠すことでもなかった。
ひとつ嘘をつけば、そこから嘘が広がっていくことを知っているはずなのに。
隠しごとは、絶対にしないと・・・・・・
誓ったはずだったのに。