白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
余りにも寂しそうな三日月。
必死で光を放つその三日月は、真っ暗な空の中で、ものすごい存在感だった。
その月を見つめながら、遠い過去を思い出していた。
直が高校生だった頃。
娘がいること・・・・・・
そのことを隠していた俺は、ずっと心が痛かった。
真実を話したかった。
でも、怖かった。
毎晩、月を見ながら考えていたっけな。
本当のことを話さないと、俺と直に未来はないんだと、わかっていた。
嘘をついている自分は嫌いだった。
隠すこと、嘘をつくこと。
それは、相手も自分も傷つけることなんだと・・・・・・
身に染みたんだ。