白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
あの飲み会の後のデートで、大野さんと沙織は急接近した。
大野さんの気持ちが沙織に向いてきているのは、私も感じていた。
「私の口からは何も言えないなぁ~。大野さんに聞いてみたら?」
私からは聞けないから、豪太が聞いてくれると助かるな。
「後輩の俺が聞くわけにはいかないよ。てか、俺山内さんと仲良いから内心ムカつかれてるかもしれない。大丈夫かな~」
「それは大丈夫だと思うよ。沙織の気持ちは大野さんちゃんとわかってると思うし」
あ・・・・・・
言ってから気付く。
「それって、そういうこと??もしかして、口すべっちゃったの?」
いたずらっ子のような顔で嬉しそうに笑う豪太。
「内緒にしてね」
「うん。言わないよ」
優しく微笑んだ豪太は、私を安心させてくれた。
豪太との間に小さな秘密ができた。
エレベーターに乗るまでの間、豪太にゴールデンウィークの予定を聞かれた。
特に出かける予定はないと言うと、結婚してもデートしなきゃだめじゃんって豪太は言った。
豪太の予定を聞こうと思ったけど、やめた。
豪太は、会社の後輩。
プライベートまで知る必要はない。