白いジャージ7 ~先生とプールサイド~




「女子がいるかどうか聞いてないの?」



「聞けなかった。な~んか・・・・・・聞いちゃいけない気がした。だって、もし女子生徒がいたとしても、先生の大事な教え子でしょ。先生も辛くなるかなって思って。先生は何気なく、“男子数人”って言ってた気もするんだよね」





聞こうかなと思った。



冗談っぽく、“先生のファンも来るんじゃないの~”って。



でも、聞けないまま今日を迎えた。






「バーベキューと言えば、女子もいそうだもんね。私だったら、どうだろう」




ゆかりは、真剣な表情で、デザートを食べる手を止めた。




こうやって、何度一緒に悩んでくれただろう。




いつも、悩む時は何か食べていた私達。


いつだったかな。


ゆかりが、私の口にドーナツを入れてくれたことがあったなぁ。



あの時も、先生のことで悩んでいる時だった気がする。





「いつもありがとね」




「何よ~、気持ち悪い。親友なんだから、遠慮しないでよ。沙織ちゃんには負けないんだから」





ゆかりは、沙織にも早く会いたいと言ってくれた。




私の大事な人を同じように大事に思ってくれる。



そこは、先生と同じだな。







< 88 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop