白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
「女子がいるかどうか聞いてないの?」
「聞けなかった。な~んか・・・・・・聞いちゃいけない気がした。だって、もし女子生徒がいたとしても、先生の大事な教え子でしょ。先生も辛くなるかなって思って。先生は何気なく、“男子数人”って言ってた気もするんだよね」
聞こうかなと思った。
冗談っぽく、“先生のファンも来るんじゃないの~”って。
でも、聞けないまま今日を迎えた。
「バーベキューと言えば、女子もいそうだもんね。私だったら、どうだろう」
ゆかりは、真剣な表情で、デザートを食べる手を止めた。
こうやって、何度一緒に悩んでくれただろう。
いつも、悩む時は何か食べていた私達。
いつだったかな。
ゆかりが、私の口にドーナツを入れてくれたことがあったなぁ。
あの時も、先生のことで悩んでいる時だった気がする。
「いつもありがとね」
「何よ~、気持ち悪い。親友なんだから、遠慮しないでよ。沙織ちゃんには負けないんだから」
ゆかりは、沙織にも早く会いたいと言ってくれた。
私の大事な人を同じように大事に思ってくれる。
そこは、先生と同じだな。