白いジャージ7 ~先生とプールサイド~
私は、今、豪太にときめく自分が許せないでいる。
ときめくと言っても、先生に対してときめいていた気持ちとは比べものにならないくらい小さいんだけど。
「今までそういうことがなかった直が、すごいんだってば!!先生も同じだと思うけど、直達は、普通じゃないんだよね。だから、憧れるんだ」
「先生だって、男だから・・・・・・こういう気持ちになったことがあるかもしれない」
ゆかりは、う~んと考えた後、店員さんにケーキの追加をお願いした。
「じっくり語り合おうね、今日は」
運ばれた紅茶のシフォンケーキをふたりで分けた。
「あのね、直・・・・・・。私も思うんだ。たっくんが他の女の子のことかわいいとか思ってるとしたら嫌だなって。でも、心の中は見えないし、心は自由。私が誰かをかっこいいって思っただけで、たっくんが怒ったりしたらそれはそれで面倒臭いよ。だから、浮気したとか、本気で狙ってるとかなら困るけど、心の中で密かに“かわいいな”って思うのは自然なことだし、気にする方が疲れちゃうと思う」
すごくよくわかる。
ゆかりの言いたいことがスーっと心に届いた。
私の気持ちは、いつもゆかりにちゃんと理解してもらえている。
だから・・・・・・ゆかりのアドバイスは私を救ってくれるんだ。